話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

犬の舌癌は?


今、芸能人の堀ちえみさんの

舌癌のことが、話題になっているようですが、

私も犬の舌癌をたまに見つけます。

 

このワンちゃんは、以前は宝塚にお住まいでしたが、硬い物をかんでしまい奥歯を折ってしまい、当院で神経を抜いて詰め物をされたのですが、その後故郷の広島に戻られたのですが、毎年歯科ケアに来院されているのですが、4年前

位に当院で歯科処置の麻酔の為に気管チューブを入れようとして、舌を持ったら堅い部分がありました。

左右を比べると喉にむかって、右の舌乳頭の部分が硬かったので、そこの細胞を針で刺して病理検査に出すと、なんと舌の扁平上皮がんでした。

そう、堀ちえみさんと同じだったのです。

 

そこで、三重県の腫瘍の専門病院をご紹介しそこで腫瘍を取って頂きました。

そのワンちゃんは、手術したその日に帰りに西宮にある当院に寄って下さり、元気な姿を見せてそのまま広島に帰っていかれました。

 

昨日も、年に1度の歯科ケアの日だったので、

麻酔した時に舌と、歯の詰め物から菌が入ってないかのレントゲン検査もさせていただきました。

飼い主さんが歯磨きも上手にしてくださっているので、軽度の歯肉炎はありましたが、

何も問題のない口でした。

 

当院でも、その年にやったワンで三匹くらいの舌癌を見つけたのですが、一匹のワンちゃんは

柴犬の雑種でしたが、3年位歯科ケアをされておらず、15歳だからそろそろいつ麻酔もかけられなくなるかもしれないから、最後と思って歯科ケアをしましょう!と麻酔をしたら

舌に直径一センチの悪性黒色腫という癌が出来ていました。

その子は、毎日お家の方が歯磨きされていたそうで、歯石もほとんど無かったのですが、

舌のど真ん中に腫瘍がこんもりとありました。

出血しておらず、痛がりもしてなかったので

気づかないかったようです。

当院ではそれ以降歯科ケアの時は、舌をきちんと触るようにしています。

 

どの犬も腫瘍を切ったといっても、早期発見だったので、その部分だけを丸くくりぬいた他は、抗がん剤治療が不要のまんま、再発せずに元気に暮らしてくれています。

 

口の中の腫瘍は、口の粘膜や舌の表面に見えるしこりを作るだけでなく、舌の奥深くや、顎の骨の中に腫瘍をつくります。皆さんも定期的に口や歯科の病気に強い動物病院で、歯科ケアを定期的に受けて、口の腫瘍も見て下さいとおねがいしてみて下さいね!

 

写真の向かって舌の右側が、腫瘍を切った方です。こんな場所にできたのを、発見できたのは

ラッキーな出来事でした!

もう一つの写真は、折れた歯の神経を抜いて詰め物をした奥歯のレントゲンです!

この日は、耳は綺麗なのが過去続いていたのですが久しぶりに耳のオトスコープ検査をしたら、汚かったので細菌検査をして、オトスープで治療しておきました。

オトスコープの結果は、スタッフブログで!

 

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