話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

3ヶ月齢の子犬の歯が折れたら? その3

これが、折れていない3ヶ月齢のボーダーコリーの

乳歯犬歯です。

1㎝くらい外に出ています。

これが 折れている方の乳歯犬歯

2ミリ位ですね

 

これが、折れた乳歯犬歯の抜いた、歯の根っこ

2㎝近くあります。

このように、犬の歯の根は、人よりとても深いのが

特徴です。

折れてしまうと、この歯は感染してしまって

死んでしまいます。

この乳歯が折れないで、生きていれば

永久歯がはえる時期になると、永久歯から

乳歯の歯の根が溶けるようなシグナルを受け取って

根が溶けて、永久歯と自然に生えかわっていきます。

 

折れてしまうと,それが出来なくなってしまうのです。

乳歯が抜けないでいると、折れていなくても

そこに生えるべき永久歯がそこから,出てこれないまま

顎の中にとどまってしまって、成長してしまったり

違う場所から生えてしまって、ほかの歯とぶつかって

顎の成長をさまたげたり、かみ合わせに異常がでたり

することもあります。

 

ちなみに、これは下顎の歯科専用レントゲンフィルムです。

大きな永久歯の根が下顎の殆どの場所をしめています。

無事に永久歯さん達出てきてね!