話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

盲導犬をリタイアしたワンちゃんの本に当院のことを載せていただきました!


この本を小口さんという、盲導犬をパピーの頃から引き取り、現在リタイア犬3匹と
暮らしておられる方から、先生のことを少しライターさんが書いてくれたので、と
いただきました。


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私の皮ふアレルギー、耳のセミナーに来ていた、ペットマッサージの先生がこんな盲導犬が居るからきっとこれは耳が悪い気がします!とご紹介していただいたのがきっかけです。


子犬の頃から、ニースちゃんは
アレルギーと言われ
外用、内用のステロイドと抗生剤を
ずっと続けておられたそうです。
盲導犬も皮ふがあまりにもひどくて
少し早くリタイアされたのだそうです。
除去食もきちんと実施されておられました。


全部のアレルギーを調べ、除去食も私が検査し直し、選び直して、スキンケアもお家で、頑張っていただきました。
「大変だったけれど、毎週みるみる皮ふが綺麗になっていったので、頑張れました」とおっしゃって下さいました。
小口さんご夫婦が、全面的に信頼し協力して下さったので、皮ふも耳も結局2ヶ月間で、ほぼ決着がつきました。
先生、読んだらエッと思うかもともおっしゃるので読ませていただいたら、費用が高かったとの記述があり、あーこのことね(笑)と
納得しました。

ちょっと言い訳(笑)

費用の内訳は
○アレルギー検査センターで、アトピーや食物アレルギーの検査
○皮ふや耳の細菌を調べ、それに効く薬を、検査センターで調べる
○耳のオトスコープ=内視鏡を実施する為、毎週麻酔をかけて、耳の治療

○ニース君だけでなく、他のクインターちゃんもドリーちゃんも耳の内視鏡をしました。

なぜかと言うと、今迄見てきたラブラドールで歯科治療に来られ、耳のことは気にもしてない犬達皆、実は耳が全部悪かった経験もあるのと、ニース君、クインター君、ドリー君皆が歯があちこちで折っていたり、歯周病も酷く、麻酔をかけた処耳も全員悪かったのです。

それに抗生剤と抗カビ剤の薬と
外用消毒剤と保湿剤

 

大変だったとは思いますが、その後の人生?を殆んど治療しなくても良いように!と

飼い主さんとお話ししてさせていただきました。

皮ふや耳の治療は耳の細菌とカビの増殖速度との戦いなので、麻酔をかけて耳のオトスコープ治療を毎週繰り返しました。


今では、除去食も止め、好きなフードも食べられるようになりました。雨の前後に、少しアトピーが軽く出る位で、お母さんは
お渡しした薬でうまくケアしてして下さり、
盲導犬の元ユーザーさんからも
こんなにフカフカの綺麗な皮ふになって嬉しいと言ってもらえたんですよ!と
嬉しいご報告もして下さいました。


耳のオトスコープ治療は栃木県の臼井先生が開発された耳の最先端治療法です。
http://www.usuimm.com/


私も先生が作られた耳の勉強会に入り、この先生の病院を見学し、関西で大学病院等で耳を手術しないと!と言われ先生の処まで犬猫達が来院されているとお聞きし、先生に「関西でも是非やりなさいよ!」と推めていただき、スタートした耳のオトスコープでした。
皮ふの感染やアレルギーやアトピーを治療しつつ、耳の中も同時に治療することで、
食物アレルギーと言われていた犬猫達が
普通の食物を食べても大丈夫になった例は沢山あります。
ホントにそれ、アレルギー?体質?
治らないと言われました。
そんな飼い主さんは、一度ご相談いただけたらと思います。

 

黒い毛並みのクインター君は、マラセチアと言うカビによるフケが、色々治療しても完治せず長年の悩みだったのですが、痒みはなかったのですが食物アレルギーを検査し除去食をすると
フケが無くなり、飼い主さんはとても喜んで下さっています。

細かく観察し、ご指導通りに実施して下さった小口さんご夫婦のおかげで、
私もワンちゃん達のことを、より色々勉強させていただきました。

子犬仔猫の頃から、見た目綺麗でも
歯科と耳、皮ふ、アレルギーのことは
ご相談下されば、一生楽に暮らせるのでは
と思っています。