話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

犬の噛むおもちゃ やガムの選び方

忙しいときなど、少しでも静かにしてもらおうと
噛むモノをあげるお家や プレゼントにいただくお家もあるのではないのでしょうか??
さてそんなときの犬の噛むモノの選び方!
 
もちろん、歯石が付きづらいからあげるなんてことは、人も子供達にやらないように、意味が全然!ないと思ってください。
歯周病は歯石が、直接の原因ではありません。
原因は細菌=プラーク
 
外から見える歯石は外から見える歯石=歯肉縁上歯石と言い、唾液中のミネラルが石灰化したもの。
中の菌は死んでいますが、あのガタガタした歯石には上や下などには生きた菌が生きていて、歯石の下の菌は取り除くことができません。
 
ちなみに歯周病を悪くするのは、歯肉の下の見えない歯石=歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)とプラーク=生きた菌です。
 
何かを咬ませるのは、暇つぶしや 噛む要求を満たすためだとおもってください。
さて、あなたは犬より強い歯を持っているのですが、自分なら何を暇つぶしにかみますか?(笑)
 
犬の歯は人の半分位の強さしかありません。顎の骨も弱いです。
噛む力が強いのは人より側頭筋が大きいので噛む筋肉が強いのと 噛むと刺さるのは歯がとんがっているので
噛むと刺さるからです。
しかも、人は上下をうすのようにすり合わせるかみ合わせなので、硬いモノには比較的つよいのですが
犬のかみ合わせはハサミ咬合で、肉を切ることには向いていますが骨や豚耳の乾燥したモノでも
ハサミの間に硬いものが入ると歯がしなって縦割れしてしまい歯の神経と血管が露出してしまうことががあります。
 
折れるとそこから 菌が入って歯だけでなく顎まで菌が入って化膿してしまうのは人と同じです。
 
子犬だと 乳歯が折れると、下の永久歯までくさってしまったり,1才半位までの犬だと生えた永久歯が感染で成長が止まり、もっと大変な処置をしなければならないこともあります。
 
成長した永久歯をおるとと人と同じように、神経を抜いて詰め物をしないといけません。しかも麻酔をかけて 一度にやるので数時間はかかってしまいます。
大変なんですよー。
 
ですから 犬は歯が強いなんて妄想は もう捨ててくださいね!
 
犬の大きさにもよりますが最低基準は人が噛んでも歯を傷めないか!です。
 
天然ゴムで、堅すぎず歯を痛めにくく、ちぎって飲み込まない物を基準として選ぶのが良いと思っています

f:id:petnomirai:20191215000005j:plain

 
ただし大型犬は小型犬のぼーるを飲み込み 胃腸につまったり
成長とともに 顎の力が変化したり 玩具の劣化で壊れたりするので
使用中は自己責任で管理して頂く事をお伝えしています。