話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

動物の歯科専門医ではありません→動物の歯歯科認定医レベル4とは?


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写真は15歳のヨークシャーの仁君!

神戸の北区から5年前位から来て下さっています。

皮膚や歯が悪かったそうで北区の先生では治せなかったそうで、神戸市内の仕事場の近くの他の動物病院に迄仁ちゃんを連れて行き色々相談されておられたそうです。

皮膚もアレルギーですねーと、フードを出して貰い、歯はこれ位の歯石なら、付きますから様子みたらと院長先生に言われ続けたとか。

 

ついに前歯もグラグラになったそうで

それでも、その院長先生は動物の歯科専門医の先生は東京にしかおられないですから、様子を見ましようと言われ続けたそうです。

確かに、私の尊敬するアメリカの歯科専門医の先生は東京に

そして私は、歯科認定医レベル4。

その先生は、私が認定を受けたのは知ってはおられたのですが、そもそもレベル4という認定医受けたからと何でも出来るワケては無いのは自明の理で。

その先生も大切な患者さんを紹介するのは

かなり迷われたのでしょう。


結果その飼い主さんは、ネットで私を探して

歯周病の治療をすることに。

グラグラ前歯は、助かりませんてしたが、

その後痛みも無くなり、ガウガウ最初咬むワンちゃんでしたが、治療が終わると10歳近くになっていても、私にも歯磨きさせてくれるワンちゃんに変身し、私もびっくりしました。

長いこと痛かったんやね!ごめんね!

今も車で1時間半位かけて、良く来院して下さっています。

 

遠いので、飼い主さんの体調やご家庭のご都合で一年間ケアや治療が伸びてしまい、

二週間前に、かねてからちょっと歯周病が残っていた上の第一後臼歯が悪化し、抜くことに。

もう15歳

腎臓がすこーし悪くなりかけ、いつまで麻酔かけて歯科や耳ビデオオトスコープケアが出来るか?と考えながら、先をみこして今回処置しました。

 

さて、そんな小動物歯科研究会の10人目の認定医2002年に取りました。

当時私は30代か?若い!

 

卒業した時の獣医さんは歯科医とは違う。

だって大学で歯科授業はカリキュラムに基本無いのが今も普通。

確か私の母校の麻布大学獣医学部は、

アメリカの歯科専門医の先生の授業が1単位だけココ数年認められている稀有な大学とか

私の所属していた研究室(伝染病研究室で、犬のバベシア症をやっていました)の後輩にそのテストを見させて戴いたら、私も学生時代受けたかったと思える素晴らしいテスト内容てした!頑張って後輩!

でもたった1単位しか国は認めてくれて無いし、全国でも2校位らしいです。詳しくは知らんけど。

私達獣医師は人と同じ6年制

でも、私達は犬馬豚牛鶏の基本的な病気は知らないと国家試験に受かりません。

犬猫の心の病気もウサギの授業も基本今も単位には無いはずです。

当たり前、たった6年しかない間に人以外の動物の医学の基礎を学ぶのか獣医大学だから。

卒業したら、バイオや薬の開発、保健所、検疫など様々な仕事につける基礎を学ぶのです。

小動物=犬猫やエキゾチックを治療しようと思うなら、卒業してから色々勉強されて人も眼科や内科や皮膚、外科の先生になっていくように、獣医師も同じように動物病院に努め診察テクニックを学び、加えて興味あれは眼科や皮膚の学会等でそれぞれ勉強していくのです。何処の学会に属さなくてももちろんオッケー!規則はありません。

だから動物病院に数年務めただけで開業も可能。私も卒業して3年務め、他の動物病院を数件経験し今開業している以前は副院長をしてました。その頃は年に2回ある総合学会行ったり、外科や内科のセミナーをアレコレ手当たり次第参加しまくって必死でとりあえず、胃腸の外科手術や内科をマスターしようと思っていました。

歯科と耳のセミナーは当時は皆無。本も無し。なのに、何故か動物だけは獣医師は付いてる歯石を取ることが、普通だからやってね!と卒業したら院長や先輩に数分位機械の使い方を教えて貰って、避妊や去勢や骨折手術か終わったらすこーし麻酔を残して、〇〇の手術のついでに!歯石取りをしたりしていました。
少なくとも、私や同僚や友達の獣医師はそんなスタートをしてました。ザ!歯石取りです!

ついでに取っといて!と院長に指示されるのです。動物看護師さんにも指示されたりたり。

人だと人の看護師さんや内科や外科、皮膚科、呼吸器科のドクターがする歯石取り。
そんなイメージ?

今も普通はそうなんだと想像しています。


私は獣医歯科専門医ではありません。

日本には専門医制度はなく、今日本におられる獣医歯科専門医はアメリカの専門医の認定を受けられた1人の獣医師のみです。


私の持っている歯科認定証を見ると2002年に小動物歯科研究会で4日間の授業と4日間の実習を受け、研究会で一つ症例を発表したら貰えたのが小動物歯科研究会のレベル4の認定証です。

試験は今もありません。私は

実はレベル4の授業と講義を2回やりました。

当時は、まだ人気なく授業も実習もお金さえ払えば、すぐ入れたのです。

ても2回受けても、レベル4を認定されても自分がたった合計8日の実習と授業で何がやれるとは当時なすこーしも思えず。

これで終わり?と言うのが正直な気持ち。

それは今も同じです。

今はしかも、犬猫のプラスチックの骸骨モデル使用とホームページにも書いてあります。

 

歯内治療も、人の歯内治療練習グッズでやります。

http://sa-dentalsociety.com/

私はその前に他のアメリカの獣医歯科の専門医の先生の講義も沢山して戴き、
アメリカの獣医歯科学会でも専門医以外の受けられる実習は全部受けてみたけれど、勉強すればするほど難しさと怖さがます今日この頃です。

その先生は私が歯科を勉強していることや、認定を受けてることはご存知だったかも?と思うのですが、大切な患者さんを専門医で無い獣医師に紹介することは、私も基本怖くてできません。

そして当時の私も色々犬猫の歯科を勉強して動物歯科の難しさ怖さがどんどん判るようになっておりましたし、基本他の獣医師には紹介してとも絶対に言いませんから、何処の獣医師に出会うかは運命でもあると思って飼い主さんにはお伝えしています。