話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

歯科治療をスタートしてみたい獣医師の方へ

今日は、歯科を始めてみようと思っている
獣医師の皆さんに書いてみます。


日本の動物病院の歯科レントゲンの保有率は
約1万軒ある動物病院で、約800台とか
歯石取りをしていない、動物病院は
殆ど無いと感じています。


それは、獣医大学では
今も基本歯科の授業は無いから
知らなくても当然です。

医大学で2校位1単位歯科の授業がある大学もあるようで、そんな大学生活を送れていたら良かったなぁーと思います。

 


私なんか、卒業した頃は犬の歯の本数も
知ってたのか不明ですし
乳歯の数は絶対に知らなかった(笑)


私がその先生と出会い勉強するようになったのが、22年前!
まだまだ一生勉強で、勉強してもしても
大変だけど、恩師の先生のおっしゃっていた
歯科というより、動物はひとと違って
虫歯はほぼないので、歯の穴詰める作業は
かなり少ない、ほぼない位の感じ。
猫は無いし。


殆どが口腔外科の世界


口腔骨と軟部組織の両方できる
ダイナミックな世界
人は歯学部がある位のふかーい世界!


犬猫うさぎの頭や歯科の解剖からして違うし、用語や道具を覚えるのさえ
タイヘン 
何処まで治療するのかで、
大変さは変わります。 


抜歯しても、実は歯肉フラップを
しないと、骨が下にできません。
抜くより、縫うほうが実は
数倍大変で難しいです。

 

 


でも歯科レントゲン無しで、歯周病の診断さえもできませんし、顎の中の腫瘍も
発見してあげられません。


転院されて来た飼い主さんは、
獣医さんに歯石取りをしてもらったから
大丈夫だと思っていたと
おっしゃっています。
何故こんなに、歯周病が進んでしまっていたのでしょうか?
と泣く飼い主さんも少なくありません。


歯周病のケアは、歯石取りではありません。
歯周病の原因はプラークコントロールだけど
歯磨き教室をやったから、歯磨き指導しているから、予防できるワケではありません。


歯石には
外から見える歯石=歯肉縁上歯石

歯肉の下の見えない歯石=歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)があります。 


これは、歯科の基本


歯周病を引き起こすのは


歯肉の下の見えない歯石=歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)!
なんです。
ココ基本!


歯石取りを飼い主さんにオススメするなら、
歯科レントゲンは最低購入してみましょう。


歯周ポケットを測定するプローブと
歯のエナメルの穴を探す
エキスプローラーも必須アイテム!


歯科レントゲンの撮影には
普通のレントゲン撮影と違って
練習が必要です。
基本は
平行法と
2等分面法と


撮影の基礎は、本やDVDも出ているので
見て、きちんと撮影できてるか
練習練習♥


私が23年間位使ってきたのが、
アサヒさんの歯科レントゲンです。
https://asahi-xray.co.jp/


訪問看護用のを使っていました。
前の病院から使っていて、この病院を
やることになっても私の相棒でした!


壊れても、直ぐに駆けつけてくれて
ホントに助かりました。
レントゲンとか機械は、バックボーンが
如何にしっかりしているか!です。
感謝感謝のアサヒレントゲンさんでした。


因みに
デンタルユニットはモリタさんの!
これは、最初はデンタルエンジンと
ポータブルのスケーラーでやってて、
途中エアータービンは必須だなぁと
買ったから、20年間位使っています。
今も、壊れてタイヘンといっても
京都から駆けつけて下さいます。


私が、拙いながらも歯科をやってこれたのも
モリタさんのおかげ!!
足を向けて寝られません。


2000年の世界獣医歯科学会を京都で
開催したときは、海外の先生達と
見学もさせていただきました。


今度のレントゲンは
デジタルレントゲンにしました。

色々なレントゲンを試させていただき

決めたのは

近畿レントゲンさん!http://www.x-raykinki.co.jp/
サポートもしっかりされてて、
歯科レントゲンの老舗
安心して使えそうです

 

最高峰はモリタさんのレントゲン!

今回手が届かずで(泣)

ごめんなさい!!

 

アサヒさんは、残念ながら
訪問歯科レントゲンは
デジタルレントゲンは無いそうで
残念でしたが、今回は見送りに。


とりあえずは
もし、獣医の皆さんで
どんな機械を買おうかなぁ?と思われたら
参考になると幸いです


歯石取るなら、最低歯科レントゲンは必須アイテム!と
覚えて下さいね。
 全身を撮影するレントゲンと

歯の専用レントゲンフィルム


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では普通のでは

全身を撮影するレントゲンは

どうしても頭の骨と顎が重なるので

歯の根っこも見えません。 


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あの大きなフィルムを動物に咬ませても

歯周病になりやすい奥歯に入らない部分もあり、ムリ(笑)です。やっぱ

 

ポータブル歯科レントゲンなら、

比較的安価なので、是非とも検討してみて下さいね。