話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

犬の歯周病の再生治療しました!

12歳のシーズーさんの、口のケア&耳の内視鏡検査をした時のことです。
 
8ヶ月ぶりの処置ですが、残念な事に右の下の犬歯と前歯の部分の歯周炎が進行していました。
 
その下の犬歯の根を綺麗にして、歯周炎を治すには すぐ横にひっついて生えている前歯がある為に
ルートプレーニング(歯の根の縁下歯石の除去&根面処置)という歯周病の治療が出来なません。
するとその犬歯は前歯があるせいで、治療もできず歯磨きもできないままです。
前歯と犬歯の大切さや 今後もっと悪くなった時に抜かなくてはいけなくなった時の
犬のリスクを考えると、犬歯を守ることを優先しました。
その為前歯を抜歯してルートプレーニング(歯の根の縁下歯石の除去&根面処置)をして
歯周病で腐った骨を除去し、そこに骨が出来ルよう骨の誘導剤を詰めて、歯茎を縫い付け再生治療を施しました。

これで、3週間後に骨が作られたら成功です。

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歯周病になって腐った骨の部分に新しい骨をつくる再生治療です。




それまでは、歯茎を縫った溶ける糸が切れてその骨の元が出てこないように、柔らかい食事&その部分の歯ブラシ禁止です。

お家の方も、その歯が変わった形の歯でまさか2本の歯が

ひっついて生えていると知らなかったそうです。

磨くのも、逃げてしまってきちんと磨けてなかったとの事。

このお家は昔飼っていたチワワさんの顎が折れたり、ゴールデンさんの耳が膿んだりしていたそうで、歯科や耳の治療にとても理解があるお家で、このワンちゃんに実施した治療も、喜んで戴きました。
(Dog.tartar.periodontal  disease .GTR )
(歯周ポケットが約1センチの深さが有る=顎の骨がそれだけ歯周病菌で腐っている→綺麗にして骨の元を詰めて治療)
posted by rie at 16: