話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

歯や耳の感染の様子をみましょう?って

 

 

転院して来られる方の多くが、

○歯茎が赤いのでまたは歯がグラグラしているので様子を見ましょう!


抗生物質をお出ししておくのでこれで様子を見まです。


と獣医師の方から言われたとおっしゃいます。


もしこれが人間で歯医者さんならば、必ずその時点で歯周ポケットを測ったり歯のレントゲンを撮影するはずです。

 

これは、歯周病になってない下の第一後臼歯
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同じワンちゃんだけど、

その反対は、プローブがズブズブ入ってしまったので、撮影すると?!

残念、歯の根の周りが黒く撮影されています≒骨が腐ってしまっているのがわかります。

歯周病です。

 


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これは、とてもわかり易いレントゲンです。

この前の10周年セミナーで来院された

プードルさんのレントゲンです。

 

きちんと検査した

その上で様子を見ましょうならばありだと思います。


私は毎日1から4匹の犬猫の麻酔をして、手術をしたり歯の検査をしたり耳の検査をしたりしています。


歯に関して言えば、歯医者さんと同じ感覚で4ヶ月から6ヶ月間隔で歯周病予防や治療をしています。

もちろん全身麻酔をかけてです。


歯周ポケットを測るのも歯科レントゲンを撮影するのも全身麻酔なしでは基本的に無理です。


ですから麻酔をかけないで様子を見ましょうは難しい話です。


子犬でも乳歯の数が足りなければ麻酔をして、なぜ歯が出ていないのかを確認します。

乳歯でも歯茎の中から出られない理由があればそれを確認し、治療するまでです。


麻酔処置が簡単とは言いませんが必須アイテムです。


私は麻酔をかけないで結局抜歯になるぐらいひどくするならば年に何回でも、必要ならばかけてケアしていけばいいと思っていますし、実際そうしています。


耳の治療になればもっと頻回にかけています。

 

そんなにかけて大丈夫なのですかとよく聞かれる話ですが。


歯周病とは、あごや頭の骨が細菌感染で腐る病気です。


歯を抜く抜かないの問題ではないのです。

耳の治療も

○耳にお薬入れておくので様子を見ましょう

○家で点耳薬を入れる

○耳洗浄液を入れてモミモミしておいてください


が多いようです。


犬猫の耳の奥は、人と違って見えないし、鼓膜も薄い

 

耳の感染を放置して、鼓膜が破れ脳炎を起こすことがどれだけ危険か。


歯は、抜くことでその下の顎や頭の骨の感染を取り除くことが、大切な治療であり、歯を抜くことだけが

治療ではないのです。


耳も、汚いからかゆいから!ではなく、細菌やカビの感染が耳の周りの

組織深く染み込み入り込んでしまうから、腫れたりするのです。


耳の手術となるとその感染した部分を、外科手術して取り除く手術を

言うのです。


ビデオオトスコープによる

この治療法を開発された栃木県の犬猫の耳の病院臼井先生によると、

耳の手術をしないで良い犬猫を減らしたかったとおっしゃっておられました。

 

最近では脳炎起こしたワンちゃんも 来院 されることも多くなりました。


そんな飼い主さんは麻酔をかけた早く治療をしてくださいとおっしゃいます。


もっと早くから、当院では遅くても1歳半から2歳半スタートですが

歯周ポケットを測ったり歯科レントゲンを撮影し、検査やケアをしたり、

 

耳なら子犬仔猫の頃からがオススメですが

耳のビデオとスコープをかけて検査や治療をしていればこんなことにはならなかったと思います。

 

なぜなら、歯周病菌も耳の菌も、親犬から

貰っていると感じるから、子犬仔猫の頃から

悪くなりそうな子は、わかることが

多いのです。


当院では麻酔をかけた時にこの二つが同時にできます。


これはかなり大きな利点だと思います。


お金と時間に無駄がありません(笑)


心配な時は、当院で出会った飼い主さん達に聞いてみられるといいと思います。


治療していない人の方が少ないからです。


獣医師が言うよりも飼い主さん直接が一番ホントの声が聞けますよ。


飼い主さんの中には私がお勧めしたらお断りされたのに!

待合室で他の人に聞いたからと、やり始めた人も結構います。


麻酔は不安ですよね!


どうぞ、外でもいいですので当院の飼い主さんたちに声をかけて聞いてみてください。


皆さん最初はそんな不安を持って始めた方達ばかりですから。