話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

獣医師の歯科領域のアドバイスはどうか? その2

獣医さんの、歯の分野でのアドバイスはほんとに正しいのか、ちょっと考えてみることは必要かについて
たくさん飼い主さんからお聞きするので、よくお聞きすることを書いてみます。
獣医さんから直接聞いたわけでは無いので、申し訳ありません。

 

先日来院された、チワワ&マルチーズ3歳

の2匹。 

血縁関係はありません。

 

獣医さんの、?と思うアドバイス?!は

 

○歯の裏は磨かないで良いです!

でした。  

これも、とってもよくお聞きする歯のアドバイスです。

 

人ならありえへんでしょう?

動物も人も、原因菌の種類が動物毎に違う位で、治療法は同じと考えたら、そんなに間違いはありません。

 

しかもこのワンちゃんは、飼い主さんが心配されていなかった方の同居のワンちゃんです。

 

でも、このワンちゃん上の前歯の裏が

既に軽度の歯周病

先ず、1番先に歯周病が起こり易いのが、

前歯の裏


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でも、このワンちゃんは上の前歯の裏が

既に軽度の歯周病に!

 

その次が下の前歯の裏


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ここは、まだセーフでした!

 

その次が下第一後臼歯の裏


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ここも、軽い歯周病

 

そのアドバイスの原因としては歯石が歯周病の原因だと思っておられるからではないかと思います。

&歯肉縁上歯石≒外から見える歯石はあまり付きづらい場所

 

 

りえ先生のペットの未来チャンネルの授業編を聞いていただくと分かるのですが、

 

歯周病は歯石でなるわけではありません。

プラークいわゆる歯周病の細菌によってなるものです。

これがわかると、どの歯を磨かなくていいなんてことは犬猫も言えません。


もうひとつ言えば歯石には歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石があります。

歯周病の治療で気をつけないといけない、処置しないといけないのが歯肉縁下歯石です。

歯石が付いていること、特に外から見えるのは歯肉縁上歯石。

それがあるとか、ないとかで歯周病になるならないの判断には関係ない!

 

もうひとつ言えば歯石には歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石があります。

歯周病の治療で気をつけないといけない歯石は、外から見えない歯肉縁下歯石なのです

 

ここは人も歯科のプロである、歯科医や歯科衛生士さんが処置する場所ですね。

 

You Tubeで、一般の方が歯石をコリコリ無麻酔でも除去している姿を見ると、目を覆いたくなります。

 

犬猫も基本獣医大学では、歯科の基本授業は無いので、最低限歯科レントゲンと高速タービン等の付いたデンタルユニット(←歯石取りの機械ではありません。)が歯科に力を入れて居られる獣医さんと思えるので、

 

飼い主さん達には、最低限そういう動物病院を選ぶことをお勧めしています。

勉強のレベルはお互い色々だと思いますし。

 

でも最低限の道具を買わないで、勉強は出来ません。

動物の歯科を勉強したいとおっしゃる獣医さん達にも、私はそうオススメしています。