話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

歯が欠けたら?!

犬猫は、歯が欠けても痛みや違和感を訴えられません。

その為そのまま放置しておく方がいますが、歯が欠けたら必ず受診されてください。

獣医師の方でも、特に歯科のアドバイスは?!な場合が多いと書きましたが、

このワンちゃんもはかかりつけの動物病院の獣医さんに「様子を見ましょう!」と言われた為、当院に来院されました。

 

このワンちゃんの飼い主さんは看護師だそうで、グッジョブ!です!

 

歯の欠けた原因は、おやつの“ほねっ子”だそうです。 

 ホネッコは、良くある歯のかける原因です。

ほかは

昔だと、牛の蹄 

今だと、鹿の角

 

このワンちゃんの飼い主さんは看護師だそうで、グッジョブ!です

 

もし、欠けた部分の象牙質が露出していれば、そこが犬も、細菌感染をお越し易くなります。

いわゆる虫歯ですね。

それか、そこから歯の神経血管まで細菌感染がいくかも知れないので、詰め物しても

神経血管に感染してないか、歯科レントゲンで歯の根の確認はしていく必要があります。

これを、人なら様子をみましょう!という事だと思います。

 

今回は、歯の神経が出て居ませんでした。

先ずは、クリーニングして、ガタガタに割れてる歯をスムージングします。
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そして、歯のミクロの汚れを取りつつ、コンポが引っ付くようにエッチングをします。


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欠けたエナメル質をコンポジットという、プラスチック樹脂で治しました。

歯の高さは、人と違い元に戻しません。

強度も低くなるからです。

 

 

 


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欠けた場所がくっきり!

そのあと水洗&エアーで乾かします。 


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次はコンポジットが歯にひっつくように

ボンディング剤をつけて


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光で固まる素材なので、光を当てます。


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それから、私は柔らかい素材のコンポジットをその上に付けて、


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光でまた、固めます。←光重合と言います。


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次は最後に硬いコンポジットレジンをつけて、形を綺麗にして 

また光で固めます!


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その後、少しやすりがけして終わり!


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金属の被せの方が強いですが、その為には型取りして、歯科技工士さんにオーダーしないといけませんし、歯の削るのも多くなってしまいます。

これ以上、歯が欠けないようお願いしますね。