話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

動物病院で歯石を定期的に取って貰っていたのに酷い歯周病に?!

 

日本の獣医医療で一番遅れているのが、歯科と耳、鼻と耳の関係の治療ではないかと思っています。

どちらも、麻酔をしないと見つからない病気なのが特徴です。

 

★今回は歯というか、口の病気

特に歳、いや2歳以上の犬猫の8割がなっていると言われている歯周病

 

何回か書いていますが、獣医大学は今6年制

人の医学部と同じ長さです。

医学部は人の歯科や口の病気以外の病気の治し方を学ぶ場所

獣医学部は人以外の歯科や口の病気以外の病気の治し方を学ぶ場所

一般の開業獣医師は総合家庭医みたいな感じです。

歯の資格?としては

私は約20年前に、小動物歯科研究会のレベル4まで、4日間の授業と4日間の実習プラス

一回の研究会での発表でレベル4の認定をいただきました。

ホントは当時はレベル4の実習がスタートしたばかりで、空きもあったので、もう少しはうまくなるかな?と当時は2回受けてみました(笑)

その前後にアメリカの獣医歯科学会のトレーニングコースに3年かけて全部行きましたが、認定証等もありません。

アメリカの獣医歯科専門医の先生の

実技の勉強会等でいただいた、フラップ治療等のセミナー受講証等があります。

お口の世界は折れた等歯そのものの治療や

歯周病外科や腫瘍や骨折等の口腔外科、矯正など多岐に渡り、歯の専門です!なんて

まだまだ一生無理です。

でも、獣医師になって20年以上経ちますが口の勉強にかけた時間は私の他の科目の中で断トツ1番ですし、日々治療もしています。

 

私がYou Tubeを頑張るようになったのも、犬猫の歯科治療は人と違って、歯や歯を支える骨も弱い為、歯周病といえども重症化します。

そんな犬猫の治療は、本当に大変で麻酔も必要な上、小さく骨が弱い犬猫だと構造上治療も無理な場合もあり、又他の病気で麻酔が難しいと治療も無理なこともあります。頼むから早く治療をスタートして、予防レベルで済むように!とYou Tubeをスタートしました。

 

獣医師の皆さんも、犬の頭数の減少と病院も増えたり、経営セミナー等で予防歯科に力をいれましょう!と言われるのもあり

歯石予防キャンペーンなるものをされていたりします。

 

だから、飼い主さんも言われると歯石を取れば良いのだと、ずっとされておられるようなのです。

最近は椎間板ヘルニアや骨折、眼科等専門の病院に紹介することは増えているのに、なぜか歯科だけは歯石を簡単に取られるのです。

見えている歯石を取るのは、とっても簡単!

麻酔さえかけてもらえて、道具さえあれば

私も獣医大学を卒業したての時から、院長先生にやっておくように言われ、やっていました。

でも、大学で歯の勉強はほとんど無いし

卒業してから犬猫の歯科の勉強といっても、数時間セミナーを聞く、販売されている数本の歯のDVDを観て勉強するのが、まだ勉強されておられる方なのが実情です。

一般のお医者さんが、同じようなことをして

皆さんの歯を診察します、という感じに似ていると思います。

人間なら、禁止されているのでは無いかな?と思います。

 

医大では歯科を教える先生が圧倒的に少ないからと、昨年も教育に組み込まれることは却下されたようです。

その為歯科を勉強しようにも、教えてくれる先生の数が圧倒的に少ないですが、それでも何とか勉強をしようとした場合、

①歯科専用レントゲン

②歯科専用デンタルユニットの2つが必要です。

 


①歯科専用レントゲン(小さな歯だけうつるタイプ。日本には歯科用CTのある動物病院も獣医大はありません。普通のCT撮影は顎の腫瘍の転移確認以外の歯周病診断には無効と私は習いましたが、歯科診断に使う獣医さんは、割と居られるのも実情です。

他の獣医さんに、かなり親しい友人でも

レダメ!とは中々言えないものです。


②歯科用デンタルユニット(歯石取りポータブルタイプのスケーラーの機械は安いのもあり、ほとんどの動物病院にありますが、高速タービンやバキューム等の付いた物を言います。)

 

最近の先生は、歯周病の治療では無いですが

歯石だけ取っておきますね!と言われる先生も居られ、良心的のようですが、飼い主さんは意味わからないので、何だか歯が綺麗になって良かったと思われるのだそうです。

 

犬猫の飼い主さん達が見えている歯石が無いのに、歯の治療を受けに来られるまで、かなり重症の歯周病にならないと≒口がとても臭い、歯磨きしようとすると痛がる、前歯がグラグラ

等で来院されるのですが、歯石はかなり少ないのが実情です。

 

お口のクリーニングを受けたあと、 

 

○各歯の歯周ポケットの深さ等について

説明があり、

○必要なら歯科レントゲンを撮影してある。 

これが、道具があるだけでなく+口の勉強をされて居られる獣医師の見分け方?かなと

感じています。

 

かかりつけの動物病院+歯科に詳しい獣医師のいる動物病院を見つけておく

もうひとつ言えば、+耳のビデオオトスコープも持っている動物病院

 

というのを、私は犬猫を飼っているお友達にはオススメしている動物病院のかかり方です。

 

何だか、自分の動物病院の宣伝?

と思われてしまうかもですが、

歯科と耳両方できるのが、一般の犬猫達には

ベストだよね!と飼い主さん達と自画自賛したりシテイマス。

どうか、近隣の地域のホームページを見て

見つけてみてくださいね!