話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

猫の歯周病は、ホント判りづらい!

昨日は、65グラムの赤ちゃんの頃から診察していた、10歳のMIX猫ジュンチャンの2年ぶりの

歯科検診&ケアの日でした。

目の見えない頃から、何度も死にかけつつ

今では7キロはある、大きな立派過ぎる猫に育ちました!(=^・^=)

 

同居の8歳のMIX猫ウルちゃんも、同じ日にしました。

この子も赤ちゃんの時、道で何かに轢かれてぺったんこで発見。

ホントにペッタンコだったらしく、便が出ないおっしゃるので、レントゲン撮影したら

骨盤が割れていました!

でも何とか後遺症なく6キロ迄大きく!育ちました。(=^・^=)

 

2匹とも、残念ながら歯磨きはさせてくれないそーで。

猫ちゃんは、歯磨きしていても基本毎年6ヶ月毎に、人と同じような歯科クリーニングを

2歳からすることを推奨しています。

しばらくされておらず、ちょっと心配してました。

これは10歳のジュンちゃんの上の奥歯


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歯石はたんまり!歯の3分の2は歯石で埋もれています。

歯石を取ると、歯肉炎だけで歯周病はオッケーでした。

これは上の犬歯の辺り

ほとんど歯石はありません。
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でもね、


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歯の付け根の付近の骨が盛り上がり

歯が伸びて、象牙質が見えだしています。 

これは、エロンゲーションと言って、

猫特有の歯周病の症状の一つです。

歯石は、歯周病菌が死んだあと、唾液と反応して石になっているのです。

歯石の少ない処の方が、生きている歯周病菌が多くて、歯周病が酷いことも良くあります。

 

動画は撮影したのだけど、写真とってませんが歯周ポケットは6ミリ以上ありました。

歯科レントゲンは骨が無くなる≒歯周病菌で腐って溶けていました。

レントゲンに映る位になると、かなり重症でした。抜かないとより、深く骨が腐り続けると思われます。

猫の犬歯は中々根が深いので、自然には基本抜けません。


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では、歯周病の無く歯肉炎だけだった

ウルちゃんの同じ歯を見て見ましょう!

 

奥歯は
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ウルちゃんの方が派手な歯石っぷり!

歯石を除去したら、歯肉炎レベルで

すんでました。

これで治るね。

上の犬歯は?



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レントゲンは
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でした。

正常です。

 

あなたの猫ちゃんの犬歯、ナンカ延びてきてませんか?!

それ歯周病かもです。