話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

猫の鼻くそ?鼻血はどうしたら?

猫の鼻くそ?鼻血はどうしたら?

今日は朝からクラブハウスをやりました。

Clubhousクラブハウスって何って感じですけね?!

 

ZOOMは顔を出しながら音声でやり取りをしますがクラブハウスは顔出しなししかもそこにクラブハウスという グループに入れた人だけが聞ける音声のラジオ局のようなものです。

でそこでご質問があったのですが、7歳の猫ちゃん鼻に黒いものが付いていて食べ物か鼻糞かどっちだろう?鼻血も出るんだけどというご質問でした。


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①一つは扁平上皮癌など鼻の中に腫瘍がある場合。

②もう一つがヘルペスウイルスとかカリシウイルスでなる鼻炎で鼻が慢性炎症を起こしている場合です。

私は歯科をやっているので、歯科をやっている獣医師は、呼吸がおかしいという時に犬だと歯から歯周病で鼻に感染が起きていることがとてもよくあるのでくしゃみの原因や鼻から膿や血が出る場合、歯周病のことがよくあります。

猫は骨の構造や歯の構造上鼻腔まで貫通することは比較的少ないと感じています。

ここで耳の病気の登場です。

猫はよく鼻風邪を引いた時来ませんか。

主たる原因は猫ヘルペスとかネコカリシウイルスです。もちろんウイルス感染だけじゃなく細菌感染も関与しています。

猫は人間の子供とよく症状が似ていて鼻炎があると耳の時間というところから中耳炎になっていることを時々発見します。

私が YouTube に載せているのですが、

ある時道端で落ちて弱っていた、鼻風邪を引いたと思われる鼻汁が出る生後1ヶ月の子猫を預かったことがあります。

犬の飼い主さんがみつけ、家では飼えないということで少し元気になってもらい手を見つけるまでということで入院させました。

500グラムちょっとの仔猫です。

少し頭をかしげていたのですが、レントゲン検査をしても骨折がないので、自転車か何かに当ったのかなという話をしていました。

 

入院させて、皮下点滴をしたり流動食をあげたり、抗菌剤を投与したりしていたのですが急にぐったり動かなくなってしまいました。

助けようにも気管チューブを入れるのも難しい小ささです

。その時私はたまたま脳炎の勉強会に参加していて獣医大学の先生が、「皆さん猫は鼻炎から中耳炎を起こし脳炎起こすことがありますから、気楽にステロイドを使わないように気をつけてください」聞いたことをふと思い出しました。

急いでぐったりして死にそうなため麻酔をかけないで耳のビデオとスコープを入れると左耳が鼓膜が破れ膿で溢れていました。

無我夢中で耳の洗浄をしてみると、急激に元気になりご飯を食べ始めました。

 

その後その猫を神戸の北須磨動物病院にあるマイクロ CT で検査してもらうと、完全に中耳炎を起こして満ちてることがわかりました。その後麻酔をかけて気管チューブが入るようになると、何回もビデオとスコープをかけ、成長していくと中耳が綺麗になりすっかりその猫は元気になってもらわれていきました。

それからは

うちの患者さんの仔猫で、鼻が出ている子猫はマイクロ CT で検査してもらうよう、飼い主さんに提案すると、検査してくれる猫の飼い主さんも増えました。 

中には鼻の骨が溶けていたり鼓膜は破れていないのに中耳炎を起こしている猫も見つかりました。

そんな時は鼓膜を破って中耳を洗浄していきました。

当院には20歳近くの老齢猫ちゃんも、鼻が苦しいと、ホームページを見ての初診で来られます。

の洗浄をします。

麻酔して歯の治療も同時にするのですが歯から鼻に来ているわけではなかったので、その時に一緒に鼻の洗浄をします。

歯の治療も同時にするのですが歯から鼻に来ているわけではなかったので、少しホッとしましたが、長年その猫ちゃんは鼻づまりで苦しんで来られたそうです。

 

ある猫ちゃんは、腎臓が悪くて残念ながら歯の治療をしてあげることができませんでしたが、鼻が苦しくて夜寝られないということなので危険を覚悟で無麻酔で鼻の洗浄を可能な範囲でしてあげると、夜鼻血が少し出たけれども大きな肉の塊が鼻から出てすごく呼吸が楽になったとおっしゃいました。

猫だと鼻咽頭ポリープという慢性炎症によって鼻と喉の境目に肉の塊のようなものができることが知られています。

なかなか猫にマイクロ CTを実施したり、ファイバースコープを鼻に入れることは実施してくれる動物病院もほとんどなく簡単ではありません。

 

歯周病だからとか、耳から膿がとか鼻が出ているからといってやみくもに抗生物質ばかり使っていると耐性菌も出てしまいます。

歯科と耳のビデオオトスコープ検査&治療を両方されている動物病院はほとんどないはずです。

ですから現時点では猫の歯科治療か、耳のビデオオトスコープ治療のどちらかに強い動物病院を探して、お願いしてみるのが良いのではないかと思っています。

麻酔をかけた時に、同時に歯科レントゲンで歯から鼻に感染がいってないか調べ、鼻もしかレントゲンなら調べることができます。

同時に歯周病の処置をしたりビデオオトスコープをしたりしつつ、鼻の洗浄が可能ならば猫さんの生活をより良くしてくれるのではないかと思っています。

鼻の洗浄だけでも、もし可能ならかかりつけの獣医さんにお願いして、麻酔をかけてしていただくと鼻が出ている子は楽かもしれません。

これはあくまでも私の経験からです。

よくよく、かかりつけの

獣医さんと相談してみてくださいね!

どうぞお大事に。