話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

傷は消毒しない?!塗り薬も塗らない?!

皮ふも耳もだけど、中々皮ふや耳の治らない犬猫達を診察しています。するとホームページでちょっと宣伝してることもあり、皮ふ病だけでなく、怪我も治らない犬猫がたまに来られます。

そうすると皮ふや傷に抗菌剤のゲンタシンとか、動物の皮ふ用の塗り薬を塗ることを獣医師さんから指示されていることが多いです。

人は、皮ふ病で塗り薬を多用するので、

そのやり方に準じておられるのだろと思いますが、私は動物に塗ると、余計そこを気にして舐めたり、かいたりするのもあり、基本使わないようにしています。

 

人でも「傷は消毒するな」と随分前から言われているのですが、人のDr.だってその知識

は広まっているワケでは無いようです。

 

と言っても15年位ですが、我が子が病院で手術したのですが、心臓外科のDr.が入院中に回診されてきて手術した傷を、ヨード剤のような物で手術した傷を消毒しようとしたので、内心「やめてー」と思っていましたが、流石に失礼過ぎて言えずだったことを思い出しました。でもその当時でも、湿潤フィルムは貼られていたので、混合していたのだろうと思います。

 

ネットで調べると、湿潤療法をきちんと拡められるよう商標登録された人の医師の方がおられるようです。

http://www.wound-treatment.jp/ 

ここから、湿潤療法をされている人の病院のリストがあるので、人で怪我の傷ややけどに困っておられたら

そこに行かれるのが良いとおもいます!

 

私も何かの本を読んだのがきっかけでした。

この方なのかは、記憶になく理論だけ読んで、理に叶ってるなぁと自分でも、

犬猫の皮ふにあう、人の湿潤療法用のシーリング剤や皮膚や毛に引っ付けるテープを色々

買って試行錯誤してきました。

人と違って保険制度が潤沢ではないので、使い易い値段も大切なポイントなので、そこも考えました。


そして私も自分の子供達や犬猫達に24年位そのやり方でやってきましたが、ホントにみるみる傷が治ります。


子供達も、保育園で怪我すると先生達は良かれと、昔なら赤チンやヨードを塗ってガーゼを貼ってくれていました。
うちの子だけ、しないで下さいとも中々言えずでしたが、帰宅すると消毒剤を次亜塩素酸水や生理食塩水で徹底的に洗い流します。


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次亜塩素酸水は今、コロナに効くと言われちょっと人気ですが、傷とか便などに触れるとただの水に戻るので、安心です。


そしてその傷の上に湿潤用のシールを貼っておくと、ミルミル治るので保育園の先生方にびっくりされていました。

お家でも、人も犬猫も外傷で傷が汚染されたら、止血だけはしっかりして、水道水でガンガン洗ってから病院へ!が良いと思います。


犬猫は、皮膚が薄いのもあり、引っ付き過ぎる物は、それで皮ふが荒れるのでテープ式で無い湿潤してくれるガーゼみたいな医療用のをあてています。ズレるので、ホント大変ですが。  

 

悪性腫瘍で皮ふを沢山取らないといけなくて、縫う皮ふが足りない時はそういう物で皮ふが再生するのを待ったりもします。  

 

もう随分前の動物の腫瘍の勉強会でしたが、縫う皮ふが無いからと、怖がってマージンを小さく取るな!とおっしゃっておりました。傷なら、皮ふ移植や工夫して他の皮ふをムリして持ってくる等もしますが、皮ふ腫瘍でそれをやると、転移を促進してしまうのでとのことでした。 

悪性腫瘍の場合、腫瘍細胞が周りに飛び散ってると想定して、マージンという言い方をして、腫瘍の周りを広く取ります。


場所によっては例えば足先とか、皮ふが寄せられ無い時でも、湿潤療法で皮ふがどんどん再生するのです。
話しそれちゃいましたが。

獣医師でも、湿潤療法をされる方は

今は結構いるんじゃないかな?と思います。


私もスタッフもたまに、犬猫にひっかかれたりすると、同じように、水で洗い流して
皮ふの変わりのシールして終わりです。
ゲンタマイシンとか、昔の感覚でついつい塗りたくなるのですが、皮ふと皮ふが治るのを
邪魔するから!と思いなおし、消毒しません。


特に犬猫は、人の10分の1位の厚さしかないので、皮ふや耳の薬と言われて良く獣医師向けに販売されている、ステロイド入りの抗菌剤は、熱心に塗ったり、点耳することで、ステロイド皮ふ症になっているのを拝見します。
赤みが消え、痒みも減るのでついつい塗りたくなるのだと思いますし、獣医さんも人が良くされるのもありオススメしたくなるのだと思います。
あと、抗菌剤も調べてないので、耐性菌も出やすいのと、傷だと新しい細胞も壊すので、
より治りが悪くなります。


私は、汚い傷なら次亜塩素酸水や生理食塩水で徹底的に洗い流します。
あと、手術したきれいな傷なら、貼れるなら
傷用のシールで封印するか、そのままです。
ドロや尿や便などついてしまったら、やはり徹底的して上記の物で洗って貰いますが、
基本そのまま。
きちんと皮ふの端と端かあわせられてれば、
皮ふが治る邪魔はしないことです。


難しいのは、口の歯肉を手術した時です。
歯周病になってる歯があると、口の中は菌だらけなので、出来るだけ水や次亜塩素酸水をそこにかけたり、糸に菌=プラークがつかないように、気をつけて貰います。


細菌性の皮ふ炎の場合は、菌とかカビが皮ふに居るので消毒シャンプーを使います。
この場合も洗い流す塗り薬だと思ってください!と皮ふには必ず原液で10分置いて貰います。
それから綺麗に洗い流して貰います。
ココ大切で、殺菌剤を皮ふに残さないのが
コツです。
その後は保湿リンスです。


選ぶ薬剤、洗う場所にもコツがあるんですけどね!
それは又!