歯を抜いてからが、とても大切なワケ
これは、今日やった歯周病にはまだなって居ない、上顎第4前臼歯です。
歯石は少し付いていますけれど。
このプードルさんは、皮ふが痒くて来院され、耳の内視鏡で鼓膜の奥をみることにしました。耳はとっても悪かったです。
でも、歯周病はセーフでした。
良かった!
これは、先週歯石等を除去した時に
抜歯がき必要レベルになっていた同じ場所の歯
右側が第4前臼歯、左側が第一後臼歯です。
○代4前臼歯の根っこが象牙質まで露出
○レントゲンでは、第1高吸収歯の奥に骨が溶けているのは確認できました。
ポイントはもう、この歯は歯周ポケットが6ミリ以上なので、飼い主さんのブラッシングで治すことはムリ
これらの歯は根が3本あるので、分割抜歯という手法でやりました
外側は歯周病で骨がほとんどありませんでしたが、歯の内側である口蓋根は、骨にしっなかりかり、歯を抜く道具のエレベーターが
歯の根に、刺さる隙間がありません!
そこで歯の周りの骨をバーで削りました。
そこにエレベーターをいれ、
ジッーと 我慢し、ムリな力をかけないよう
歯を骨にひっつかせている歯根膜が切れるのを待ちます。
そーすると、ミシッと言う感じで
骨から歯を外すことができました。
フーヤレヤレです。
抜いてみると、歯の根の裏迄歯石がびっちり!
これが、外から見えない歯肉の下の見えない歯石=歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)です。
血液と反応して作られていくので、色が黒っぽいのが特徴!
第4前臼歯から3本抜くと、5キロ位のダックスさんですが、長さ3センチ、横1センチ位の骨が露出したまんまになります。
抜いた穴の周りの骨は歯周病菌が染み込んで腐っています。
その骨や腐ってできた不良肉芽も除去!
これがとても大切!
ガタガタした骨も、歯肉で覆って縫う為に、スムーズに骨形成します。
そして、歯肉でここを覆うのですが、
大穴なので、歯肉は縫うには足りません。
その為、目の下まで歯肉を骨から外し、
骨膜を切る処置をします。
すると、歯肉が少し伸びるんです。
サポートしてくれているスタッフは、
いつも不思議!と喜んでくれる
作業です。
その後、歯肉を溶ける糸で縫合します。 歯肉フラップといいます
縫うと、そこに骨が早く出来てくれます。
縫わないと、抜いた穴に
骨歯肉は伸びてくるので、骨を作るのを
妨げてしまいます。
他院で抜きました!と聞いた時に、
3週間カラーをしていましたか?
と聞くとほぼ付けてないとお聞きします。
抜くより、縫う方がずっと大変で大切なんです!
歯周病で抜いて露出した骨を、歯肉フラップをどのように何処から持ってきてその骨を、覆うか!
を今迄の歯科のトレーニングでは、ずっと時間をかけて考えやっています。
今回は、歯肉がまだまだ使えたので 助かりました。
歯を抜く意味を理解し、協力してくださった飼い主さん!ありがとうございました。
犬は高齢になると、いつ体調を崩し、
麻酔が難しくなるかわかりません。
その後、歯周病が酷くなって、目の下に穴が空いたり、顎が折れないように
抜く必要のある歯が処置てきたので
コレで一安心!
このワンちゃんが、今後抜かないといけない
重度の歯周病の歯はこれで無くなったので
安心して歳を重ねて貰えます!