話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

1歳のダックスさんの症例



1歳の保護犬さん


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緊張してるね!

お口が臭う&顔も痒がるということで来院!

 

顔の痒みは、耳のビデオオトスコープで

バッチり治ったと飼い主さんが!

これで治ら無かったら、アレルギー検査しますねと飼い主さん!

ビデオオトスコープで、顔を痒がる

手を舐めるが治ったんですと、喜んでおられました。


まだ一回なので、耳の中の菌とカビは

薬だけでは、完治はまだしないと思ってますが。 

アレルギーだけが原因と思ってる飼い主さんや獣医さんは多いハズ。

1歳までの痒みは、食物アレルギーが多いのですけどね!

アレルギー検査も動物アレルギー検査センターのigEとリンパ球検査しないと、食物アレルギーの診断はムリです。

その数値読むなら、獣医アトピーアレルギー免疫学会の会員にお願いしないとです。詳しくはまたかきますけど。



こんな子犬、当院ではとてもとても多いのです。

又そのことは、別のとこで!って

書いてて忘れちゃうんだけど、やりますね。

 

①下第一後臼歯と前臼歯の写真


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ここのレントゲンはこれ!


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歯と歯が重なりあってますよね!

小型犬あるある。

ここ、歯ブラシ普通の毛先届くの難しい場所!

 

②第4前臼歯と第一後臼歯

唾液腺あるから、歯石になりやすい

あ、歯石になりやすいから歯磨き頑張っる人間いませんよね?

獣医さんでも、ここだけ磨きましょう!なんておっしゃる方もいて、ビックリすることがあります。

飼い主さんは、自分の歯磨きと同じように考えてやることです。
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③上の犬歯

歯石少ないけど真っ赤です!
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上の犬歯の内側は鼻の穴から1ミリ!


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特にダックスは、他の犬より上の顎の口蓋ヒダのギザギザが深く、犬歯の内側に天然のポケットを作るので歯周病菌がそこにタマって骨が溶ける!

歯周病は歯の周りの歯肉や支えてる骨が、菌で臭ったり感染する病気なんですよー。

皮ふの赤みなんて、実はそれに比べたらナンナンダ!と私は思っています。

骨も歯肉も元には戻らないのです。

 

実は歯周病治したら、皮ふが綺麗になったりもするからね。

これは、原病巣の考え方を知れば判ります。

他でコラムも書いてるので良かったら!

 

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これは下顎のレントゲン。

5キロも無いダックスなのに、犬歯の長さは3センチも!

 

犬歯が歯周病になったら、抜いたらどうしよ?!食べられるのかしら?!

じゃない!

 

 

歯石あるとレントゲン取れないし、

処置の邪魔だから取ってる!位の気持ちです。

ポイントはそこじゃなーい!

歯の治療じゃなくて、犬猫の場合は歯周病の治療は口腔外科の領域になってるのがほとんど!

 

歯周病の原因になってるその歯を、動物から安全に出血させないで、顎の骨を折らないで無事抜いてあげられるか?

そしてその骨を、残ってる歯茎で骨を閉じられるかを心配しています。

 

一般の飼い主さんは、歯石を気にして注目されます。

獣医師の方も歯石取りしましょうね!なんて言うし、歯石が歯周病の原因だとホントに思ってる方も多いことも知っております。

 

見えてるで歯石だけを!取るのが歯周病の治療と思ってるなら、何処でされても同じでしょうから、うちじゃなくてもオッケーです。

 

でも、この飼い主さんは色々過去に犬を飼っておられ、動物病院での歯石取りも経験済み

 

過去、歯石取ると、グラグラする歯が抜けるので、歯が抜けないように、歯石置いておきますね!とおっしゃる獣医師の方もおられたそうです。

ある意味すごい!

なぜ獣医師の方達がそうおっしゃるかは、又

何処かでお伝えします。(書いてるかも)

 

飼い主の皆さんには、人と同じ感覚で動いていただきたいです。

 

この飼い主さんは、そうでした。

 

歯石は少しだけど、どんどん口が臭くなるからと来院!

 

歯周病の原因は、細菌です。菌の塊をプラークといいます。

一つ目の写真は下の第一後臼歯。ここは歯石というよりもヌルヌルした感じを受けますプラークがたくさん!いわゆる生きた菌がたくさんいるんです。

歯石は唾液と死んだ菌の塊!

歯石のザラザラした下や上に、死んでない菌がいるのが一番問題なんです

この辺は歯周ポケットが1 mm ぐらいありました。歯肉炎から歯周病になりそうなギリギリっていう感じです。

一切でこれです。

歯周病になると顎が折れますよ!という場所です。

小型犬はこの第一後臼歯とその前の前臼歯がひっついていることが多いんです。

ダックスは大きなダックスをミニチュアにした。人間だったらここにデンタルフロスやポイント歯ブラシは必ず使うでしょ?

犬もそれをする事が必要な場所だし、されている飼い主さんもおられます。

プラークコントロールには当然だよね!

その下の写真は上の第4前臼歯と第一後臼歯が見えています。

ここの歯石は、ツルっと乾いてませんか?

歯石になっただけ。まだ生きた菌がここには生きた菌が付いてるのが少なそうです。

だから、ここは歯肉炎にもほとんどなっていません。

 

次の写真は上の犬歯です。

歯石は少ないのですが、既に歯肉の退縮と言う状態で、歯茎が菌で壊されて減っています。

一番下の写真は前歯です。

狭い顎の中に6本の前歯が並びきれずガタガタになっています。

この形では適当に歯ブラシを突っ込んでは金は取り切れる状態ではありません。

でも下の前歯が一番歯磨きをさせません。

舌もあって難しい。

でも前歯は、実は大切な歯でもありませんし抜くのも難しい場所ではありませんから、

抜くと下顎の骨がほとんどなくなる可能性のある、下の犬歯の周りと前歯の境目を歯周病にならないように、丁寧に磨いて犬歯を守って下さいと飼い主さんにはお願いします。

 

この飼い主さんには、歯周病菌のタイプは悪そうなので、プラークコントロールはしっかりお願いします!とお伝えし、守るべきポイントもお伝えしました。

早く連れて来て下さって、感謝です!

歯周病菌は親犬から感染するのは、人と同じ!

早期発見、早期予防です。

 

あの口に垂らすだけで、歯石がポロポロとか?

歯周病って怖いですよね、だから〇〇を使えば!

なんて、マジで信じられるのかな?自分なら。

そんなのあるなら、人が使えば良いし

歯学部はに6年も行かなくて良いし、

医師が治療したら良いとおもいませんか?