話せない犬猫の原病巣を発見するりえ先生のブログ

犬猫の行動から、日本の獣医大では未だ授業のない歯科治療のこと。皮ふだけを治すのでは治らない犬猫の皮ふを、真の原病巣を探ることで治すのが好きな獣医師がぼつぼつ書いています。

15歳は猫では中年!もう歳だからなんて言わないでここに注意!

21歳?で顎の腫瘍で亡くなった猫ちゃん。

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転院されてきた時は15歳位でしたね。
来た時は食欲なくて腎臓の数値が少し悪くて。

もう歳ですか?って聞かれたけれど。

ウチでは、15歳は猫では中年!

この子は、便秘がち≒便が腸の中でとどまるのが長い状態でした。
便が出づらいと 吐き気がすることも。
便がでだすと 吐き気も止まり
食欲もでることも 多いんです。

全然出ないことを便秘というのではないのを
猫の飼い主さんは気をつけて見てください。

猫は水分不足で便秘になるのがほとんどです。
ヘアーボール〇〇とか繊維の多いフードは逆効果です。 
また 腎臓病の初期も多飲多尿になり,たくさん飲むけど比重の低い尿がたくさん出るのて 脱水してしまい便が固くなってしまいます。

便が固くなったり 吐き気しだしたら来てくれたり
早期発見も上手になった飼い主さんでした。

あれから何回も食欲なくなったけれど、
飼い主さんを激励?!しているうちに
食べなくなっても年ですかって聞かなくなってきてくれて。

頑張ってこの子に食べさせてくれて=強制給餌です。皮下点滴に通って貰って
長生きしてくれました。

食べない原因は、膵炎だったりするけど、
原因より、食べさせて水分補給が基本原則!
細かいことより、生きられるように先を見ること!

独り暮らしの女性の飼い主さんで遠くまで通勤で働いておられたから、モニターで自宅の様子みたりしつつ、この子を支えてくれました。

初めて歯と耳の治療をしたのが、なんと20歳!
歯石もりもりで食べづらくなって、耳も外耳炎で。
何回も勧めたのに、頑張ったねーって言うと。

『麻酔が怖かった』そうで。
私も 流石に 今頃やるのーって感じでしたが
血液検査も異常がないし、やりましたよ。

で、無事終わり、抜く歯もなく快適に過ごした2年間でしたね。

途中、手術の難しい顎の腫瘍になったけれど
最後まで、首に付けた管から流動食をお母さんが確実に入れてくれました。
お腹減らして死なせるわけにいかないよね!って!
21歳の時にそれをつけて。

私のことは、あぁ居るのねって感じで
受け入れてくれた感じの猫ちゃんでした。

うちの子以上に堂々と診察台にいますよね!(笑)
また会いたいな。
お母さんは お元気にしてるかな。
ちょっと心配です。